column コラム

パソナはなぜ淡路島に本店を移すのか。税率が安い?

 株式会社パソナグループが東京から淡路島に本店を移すということで話題になりました。

 日経新聞:パソナ本社機能、淡路島に 1200人 東京集中避け段階移転

 税金も安いからじゃないかなんていう噂もあったので、気になって検証してみました。確かに安いところがあるという話も聞くし。

パソナ税率比較

 結果的には本社を東京都から淡路市に変えて安くなる税率は0.6%くらい(実際は分割基準などでもっと影響は小さい)。76億円の利益に対して4000万円程度の節税にしかならないようです。パソナが1000人抱えて移動することを考えれば、費用対効果としては割に合わなさそうです。

 また、淡路市は、地域活性化総合特別区域計画の「あわじ環境未来島特区」として認定を受けているようです。投資が1億円以上であれば。下記のような支援策があるようです。

内閣府地方創生推進事務局HPの計画書より

○立地奨励金:固定資産税相当額を 3~7 年交付

○雇用奨励金:新たに 1 年以上雇用した市内在住の従業員1 人につき 10 万円(1回限り)を事業者に交付(3~5年間)。総額 1,000 万円程度

○大橋通行助成・水道料金助成:明石海峡大橋及び大鳴門橋通行料並びに水道使用料の助成。法人市民税相当額を限度に 3~5 年間交付

○下水道使用料助成:1 立方メートルにつき 50 円を乗じた額を交付(30 年以内で年間 500 万円程度)

 これもパソナが移転する理由になるほどの特典ではなさそうですかね。

 本社の場所を選ばない働き方をされている企業は、この地域活性化総合特別区域計画なんかを眺めて、有利な地域に引っ越していくのも一つの手かもしれませんね。