column コラム

消費税における非居住者(輸出免税とか)

消費税法における非居住者の概念は難しいのですね。
電気通信役務の提供などで出てくる「国外事業者(消費税法2条1項4の2)」
こっちは所得税法の非居住者を使う

輸出免税の判断に使う「非居住者(消費税法施行令17条2項7号等)」
こっちは外国為替及び外国貿易法を使う

今回の記事は、輸出免税の判断に使う「非居住者」の話。
非居住者に対して行う役務提供は消費税免税ですよ

消費税法施行令(輸出取引等の範囲)
第十七条
2 法第七条第一項第五号に規定する政令で定めるものは、次に掲げる資産の譲渡等とする。
七 法第七条第一項第三号、前項第三号及び第一号から第五号までに掲げるもののほか、非居住者に対して行われる役務の提供で次に掲げるもの以外のもの
イ 国内に所在する資産に係る運送又は保管
ロ 国内における飲食又は宿泊
ハ イ及びロに掲げるものに準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの

非居住者の定義は第一条へ

消費税法施行令(定義)
第一条
2 この政令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 居住者 外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第六条第一項第五号(定義)に規定する居住者をいう。
二 非居住者 外国為替及び外国貿易法第六条第一項第六号に規定する非居住者をいう。

外国為替及び外国貿易法に飛ばされて

外国為替及び外国貿易法
(定義)
第六条 この法律又はこの法律に基づく命令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
五 「居住者」とは、本邦内に住所又は居所を有する自然人及び本邦内に主たる事務所を有する法人をいう。非居住者の本邦内の支店、出張所その他の事務所は、法律上代理権があると否とにかかわらず、その主たる事務所が外国にある場合においても居住者とみなす。
六 「非居住者」とは、居住者以外の自然人及び法人をいう。

さらに詳細には「外国為替法令の解釈及び運用について (昭和55年11月29日付蔵国第4672号)」へ飛ばされる

(居住性の判定基準)
6-1-5、6
1 個人(3に掲げる者を除く。)
個人の居住性は、当該個人が本邦内に住所又は居所を有するか否かにより判定されるが、その判定が困難である場合もあるので、次に掲げるところにより、本邦内に住所又は居所を有するか否かを判定するものとする。
⑴ 本邦人の場合
イ 本邦人は、原則として、その住所又は居所を本邦内に有するものと推定し、居住者として取り扱うが、次に掲げる者については、その住所又は居所が外国にあるものと推定し、非居住者として取り扱う。
(イ) 外国にある事務所(本邦法人の海外支店等及び現地法人並びに国際機関を含む。)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者
(ロ) 2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者
(ハ) (イ)又は(ロ)に掲げる者のほか、本邦出国後外国に2年以上滞在するに至つた者
(ニ) (イ)又は(ハ)までに掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6月未満のもの
ロ イにかかわらず、本邦の在外公館に勤務する目的で出国し外国に滞在する者は、居住者として取り扱う。⑵ 外国人の場合
イ 外国人は、原則として、その住所又は居所を本邦内に有しないものと推定し、非居住者として取り扱うが、次に掲げる者については、その住所又は居所を本邦内に有するものと推定し、居住者として取り扱う。
(イ) 本邦内にある事務所に勤務する者
(ロ) 本邦に入国後6月以上経過するに至つた者
ロ イにかかわらず、次に掲げる者は、非居住者として取り扱う。
(イ) 外国政府又は国際機関の公務を帯びる者
(ロ) 外交官又は領事官及びこれらの随員又は使用人。ただし、外国において任命又は雇用された者に限る。
⑶ 家族の居住性
居住者又は非居住者と同居し、かつ、その生計費が、専ら当該居住者又は非居住者に負担されている家族の居住性は、当該居住者又は非居住者の居住性に従うものとする。
2 法人等(法人、団体、機関その他これらに準ずるものをいい、3に掲げるものを除く。)
法人等の居住性は、本邦内にその主たる事務所を有するか否かにより判定されるが、法人等の支店、出張所その他の事務所等の居住性については次によるものとする。
⑴ 本邦の法人等の外国にある支店、出張所その他の事務所は、非居住者として取り扱う。
⑵ 外国の法人等の本邦にある支店、出張所その他の事務所は、居住者として取り扱う。
⑶ 本邦の在外公館は、居住者として取り扱う。
⑷ 本邦にある外国政府の公館(使節団を含む。)及び本邦にある国際機関は、非居住者として取り扱う。

 課税単位の事業者としては、所得税や法人税と足並みを揃えるけど、
輸出免税で出てくる非居住者としては消費地を考える上で所得税や法人税から引用するわけにはいかなかったのですね。