条文
- 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
- 一 自ら営業を行うこと。
- 二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。
- 三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。
- 四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
- 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。
会社法の解説
支配人は、雇用契約に関する義務(民法623条以下)や、支配権に関する委任契約に基づく義務(民法643条以下)を負っています。これに追加して、より強度の競業避止義務と他業避止義務を課しています。
支配人は、会社の許可がなければ、営業時間外であっても、自ら商売をしたり(1号)、自社と同様の取引を行ったり(2号)、会社や商人の使用人(3号)や取締役や執行役等(4号)になることはできません。逆に商人でないものの使用人等になることについては規制されておらず、また他の会社の監査役や会計監査役になることは、継続的な業務執行ではないので就任可能です。
取締役は2号に相当する競業禁止義務(会社法356条1項1号)は存在しますが、本条1号と3号に当たる規定はなく、支配人のほうが厳しい規定となっています。これは、支配人は業務執行を行うことになる一方で、取締役については「昭和25年改正商法が取締役会制度を導入し、個々の取締役が当然には会社の業務執行機関とはいえ」なくなったためです(会社法コンメンタール1-P166)。その結果取締役には同業の会社の取締役に就任すること等も可能になっています。
税法の解説
-
(2024/11/8初回 令和6年5月22日 施行)